
相続を弁護士に相談するなら、「家族が亡くなって手続きを始める前」か「親族との話し合いがうまくいかなくなったとき」が目安です。相続放棄は原則3か月以内、遺留分の請求は知ってから1年以内など、期限のある手続きもあるため、早めに相談するほど選べる手段が多く残ります。
この記事では、相続の流れと相談のタイミング、相続調査・相続放棄・遺産分割の進め方を、岐阜県各務原市の清流のまち法律事務所が解説します。
相続は、どのタイミングで弁護士に相談すればいいですか?
「何から手をつければいいかわからない」と感じた時点で相談してください。
争いになってからでなくても、相談はできます。
相続の相談は、次のようなきっかけで寄せられます。
- 家族が亡くなり、誰が相続人で、遺産がどれくらいあるのかわからない
- 亡くなった親に借金があるかもしれない
- 遺産の分け方について、兄弟姉妹の意見が合わない
- 親の財産を管理していた兄弟が、お金をどう使ったのか知りたい
- 相続人の中に、疎遠で連絡がとれない人がいる
- 自分が亡くなった後に、家族が争わないようにしておきたい
当事務所は、「相続」が「争族」になる前の対策から、相続が始まった後の問題まで対応しています。話し合いがこじれる前に方向性を決めておくと、親族の関係を守りやすくなります。
相続の手続きは、どのような流れで進みますか?
「相続調査 → 方針を決める → 遺産分割 → 名義変更」の順に進みます。
途中で話し合いがまとまらなければ、家庭裁判所の調停を使います。

相続の手続きの流れと期限
- 相続の開始:家族が亡くなったら、まず遺言書があるかを確認します
- 相続調査:相続人が誰か、財産と借金がどれくらいあるかを調べます
- 方針を決める:財産を相続するか、相続放棄をするかを決めます
- 遺産分割協議:相続人全員で、遺産の分け方を話し合います
- 調停・審判:話し合いがまとまらなければ、家庭裁判所の手続きを使います
- 名義変更:預金の解約や不動産の相続登記を行います
不動産を相続した場合は、相続登記にも期限があります。2024年(令和6年)4月1日から相続登記の申請が義務になり、相続の開始を知り、かつ不動産の取得を知った日から3年以内に申請しなければなりません。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料が科されることがあります。2024年4月1日より前に相続した不動産も対象で、2027年3月31日までに申請が必要です(法務省・法務局)。
相続調査とは何ですか?なぜ最初にすすめるのですか?
相続人と財産を正確に調べ、相続のリスクを見える化する手続きです。
当事務所では、相続の相談を受けたとき、まず相続調査をおすすめしています。
相続調査で確認するのは、主に次の内容です。
- 相続人の確定:戸籍をたどり、法律上の相続人を確定します。前の結婚の子など、家族が知らない相続人が見つかることもあります
- 相続人の住所:疎遠な相続人がいる場合も、連絡先を調べます
- 財産の確認:預金・不動産・有価証券などの有無を調べます
- 借金の確認:借入れや保証人になっていないかを確認します
相続調査を最初にすすめる理由は、相続人や財産が一人でも抜けていると、遺産分割をやり直すことになりかねないからです。また、借金が多いとわかれば、相続放棄を検討できます。調べてから判断することで、後悔の少ない選択ができます。
相続放棄には期限がありますか?
原則として、自分が相続人になったことを知ったときから3か月以内に、家庭裁判所へ申述する必要があります。
この期間を過ぎると、原則として借金も含めて相続したことになります。
岐阜家庭裁判所が公開している説明書きでは、相続放棄の手続きは次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 期限 | 自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内 |
| 申述先 | 亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所 |
| 費用 | 申述する相続人1人につき収入印紙800円、連絡用の郵便切手330円分 |
| 主な書類 | 申述書、戸籍謄本一式など |
注意したいのは、遺産の一部を処分すると、相続を承認したとみなされ、原則として相続放棄ができなくなる点です。たとえば、亡くなった方の預金を引き出して使ってしまうと、放棄が認められないおそれがあります。放棄を考えているなら、遺産には手をつけずに相談してください。
なお、先の順位の相続人が放棄すると、次の順位の人(亡くなった方の兄弟姉妹など)が相続人になります。親族にも状況を伝えておくと、後の混乱を防げます。
遺産分割で親族の話がまとまらないときは、どうすればいいですか?
まず弁護士が間に入って交渉し、それでもまとまらなければ家庭裁判所の遺産分割調停を申し立てます。
当事者同士で話すと感情がぶつかりやすい場面でも、第三者が入ると整理しやすくなります。
遺産分割の解決方法は、次の3段階です。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 協議(交渉) | 相続人全員で話し合う。弁護士が代理人として交渉することもできる |
| 調停 | 家庭裁判所で、調停委員を交えて話し合う。申立ての費用は被相続人1人につき収入印紙1,200円分と郵便切手 |
| 審判 | 調停が不成立になると審判に移り、裁判官が分け方を決める |
調停の申立て先は、相手方のうち一人の住所地を管轄する家庭裁判所、または当事者が合意で決めた家庭裁判所です(裁判所)。
遺言書で自分の取り分が極端に少なくされている場合は、「遺留分侵害額請求」ができることがあります。遺留分とは、一定の相続人に法律で保障された最低限の取り分です。相続の開始と遺留分を侵害する贈与・遺贈を知ったときから1年、または相続開始から10年を過ぎると請求できなくなります。家庭裁判所に調停を申し立てるだけでは請求の意思表示にならないため、期限内に内容証明郵便などで相手に意思を伝えておく必要があります(裁判所)。
相続は弁護士・司法書士・税理士の誰に相談すればいいですか?
親族との交渉や争いが関わるなら弁護士、登記なら司法書士、相続税なら税理士が基本です。
依頼したい内容によって、相談先が変わります。
| 相談したいこと | 主な相談先 |
|---|---|
| 遺産分割の交渉・調停、遺留分の請求、使い込みの調査 | 弁護士 |
| 不動産の相続登記 | 司法書士 |
| 相続税の申告・節税 | 税理士 |
遺産分割の交渉や家庭裁判所の調停で、代理人として相手とやり取りできるのは弁護士です。「まだ争いではないけれど、今後もめそうだ」という段階でも、弁護士に相談しておくと、交渉に入ったときの方針を早めに立てられます。
相続を弁護士に依頼すると、費用はいくらかかりますか?
当事務所では、相続の初回相談は45分無料です。
依頼する場合の費用の目安は、次のとおりです(すべて税込)。
| 内容 | 着手金 |
|---|---|
| 交渉 | 15万円〜 |
| 調停・裁判 | 20万円〜 |
| 相続放棄 | 5万5,000円 |
| 相続調査 | 11万円 |
| 遺言書等の作成 | 5万円〜 |
報酬金は、経済的利益の10%〜17.6%程度です。2回目以降の相談は45分5,500円です。依頼をご希望の場合は具体的な金額をお示しし、金額を聞いたうえで依頼しないと決めることもできます。資力に不安のある方には、法テラスの利用もご案内しています。
よくある質問
相続人同士の仲は悪くありませんが、相談してもいいですか?
はい、ぜひご相談ください。争いがない段階で相続人や財産を確認しておくと、後から思わぬ相続人や借金が見つかって話がこじれるのを防げます。生前の相続対策や遺言書の作成についてもご相談いただけます。
3か月を過ぎてしまいましたが、相続放棄はできませんか?
事情によっては認められる場合があります。財産がまったくないと信じていたことに相当な理由があるときは、財産の存在を知ったときから3か月以内の申述が認められることがあります。期限を過ぎていても、あきらめずに早めにご相談ください。
高齢の親の財産管理について相談できますか?
ご相談いただけます。当事務所では、認知症の問題や成年後見、財産管理、遺言書の作成など、高齢者の問題にも対応しています。弁護士と事務員は認知症サポーターの資格を持ち、ご年配の方に配慮した対応を心がけています。
事務所に行くのが難しい場合はどうすればいいですか?
外出や移動が難しい方には、出張相談を行っています。別途出張料がかかるため、事前にお電話またはメールでご予約ください。
岐阜で相続の相談なら清流のまち法律事務所へ
岐阜市・各務原市をはじめ岐阜県内の方から、相続のご相談をお受けしています。相続は、ご家族の思いや関係が深く関わる問題です。お話を丁寧に伺い、ご依頼者の意思を大切にした解決を目指します。
- 相続の初回相談は45分無料
- まず相続調査で相続人と財産を確認し、リスクを整理
- 相続放棄・遺産分割・遺留分・遺言書作成まで対応
- 依頼を受けた事件は、特殊な事件を除き1か月以内に調停の申立てなどを行う方針
- 完全個室・キッズスペースあり。出張相談にも対応
岐阜で弁護士を選ぶときのポイントや、相談から解決までの流れは、次の記事でまとめています。
▶関連記事:『岐阜で弁護士を選ぶなら|相談前に確認したい5つのポイントと相談の流れ』
監修:弁護士 小林和久(岐阜県弁護士会所属)
清流のまち法律事務所
- 所在地:岐阜県各務原市鵜沼川崎町2-114 松崎ビル3階
- アクセス:名鉄「三柿野駅」から徒歩3分(ビル1階に駐車場3台)
- 電話:058-380-2811
- 営業時間:平日9:30〜18:00(土・日・祝日休み)
- 公式サイト:https://seiryu.lawyer/
参考・出典
- 岐阜家庭裁判所「相続放棄の申述をされる方へ(説明書き)」 https://www.courts.go.jp/gifu/vc-files/gifu/2024/R6.10.1_setsumeigaki.pdf
- 裁判所「遺産分割調停」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_07_12/index.html
- 裁判所「遺留分侵害額の請求調停」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/lkazi_07_26/index.html
- 札幌法務局「相続登記の申請義務化について」 https://houmukyoku.moj.go.jp/sapporo/page000001_00326.html
- 新潟法務局「相続登記の申請義務化」 https://houmukyoku.moj.go.jp/niigata/page000001_00192.html
- 清流のまち法律事務所「遺産相続」 https://seiryu.lawyer/遺産相続/





